よーい、どん!(ECO妄想部屋)



よーいどん!12

男:親戚一同が集まった中で、自分の『席』を探すよりも
  自販機やコンビニ前にたむろってるほうが、落ち着くだろう?

タイニー:(突然、語りだしたこの人間は僕の相棒…一応)

男:世界が変わっても、誰に注意されなくても
  そこに居るべき理由がないと、人間は落ち着かない

  ゴミなんぞ捨てるつもりがなくても、立っている『場所』欲しさに
  からっぽの手で捨てに行く


よーいどん!13

タイニー:――それで、たぬきは、人目のないこんなゴミ箱のそばに座っているの?

男:たぬきじゃなくて、ネイリだ
  この街はゴミ箱が多いんだよ。ちょっと見回すだけでもゴミ箱が設置してある
  捨てるなんて1人で出来るが、撤去もされないままだ

タイニー:それで何の話だったっけ

ネイリ:人間の空間における卑屈なまでの承認希求の話だ
     最低限のプライドを保ちつつ 『自然に居る場所』 を毎日探しあぐねている

タイニー:しょうにんききゅう…誰かに認めてもらうこと?

ネイリ:いや、認めてくれる相手はいない
     『誰かが見てても普通に思われる場所』 に、自分で毎日点数をつけているだけだ

タイニー:ふぅん…。じゃあ、たぬきはこの先もボクを叱らないのかな?

ネイリ:たぬきじゃなくて、ネイリだ
     つーか叱るって、一体なんの話だ

よーいどん!7

タイニー:ボク、もうとっくにアルマになれるんだよ
      でもずっとずーっとアルマにならないで一緒にいるんだ。知ってるよね?

ネイリ:そうだな。お前、アルマになりたくないのか?

タイニー:逆にたぬきに聞きたいんだけど、どうしてたぬきはスカウトになったの?

ネイリ:たぬきじゃなくて、ネイリっつってんだろ
     そうだなぁ……俺はピストルが嫌いでね

よーいどん!4

タイニー:ピストル?それが何の関係があるの?

ネイリ:話はこれからだ、いいから聞け

    お前、運動会の徒競走やかけっこは分かるか?
    横一列に並んで走るやつ

タイニー:あー。なんとなく分かるよ。パーンって鳴ったらみんな走るんだよね

ネイリ:ある日、知らないうちに俺は横一列に並んでピストルの音を聞いた
    そして走り出した。だからスカウトになった。少なくとも俺はそうだ

タイニー:他の並んでた人は違うの?

よーいどん!8


ネイリ:聞いてみたいが、走ってる相手に聞いてもまともな返事が返ってこなくてな
    そりゃ、全力疾走して息継ぎも苦しい時に 「なぜ走ったんですか!?」
    と聞かれても答えられねーし、最悪殴られる

タイニー:でも徒競争ってことは
      たぬきや他の人は、ゴールに向かって走ってるんだよね

ネイリ:たぬきじゃなくて、ネイリだ
     ゴールっつっても遠くてね。見えないくらい遠い
 
    走ってる最中にコースアウトするやつもいるし、へばる奴もいる
    楽々と駆けてくやつもいるし…ショートカット見つけたり
    中には、逆送したほうがゴールが近いってズルする奴もいる

タイニー:それは先生に怒られるでしょ

ネイリ:大抵はな。たまに、見逃してもらえるやつもいるようだが

     そんなんで走ってる最中に蝶々追いかけて川渡っちまう奴もいるよ

タイニー:なんで?

ネイリ:花畑が見たかったんだろ
    俺もたまに見たくなる

よーいどん!10


タイニー:でも不思議だね
      誰がピストルを鳴らしたんだろ
      運動会なら、校長先生とか担任の先生だよね

ネイリ:実は俺もそれが知りたくてね
     分かったら50発ほど殴りに行くんだがな
     余計なことすんなって

タイニー:じゃあ、たぬきはボクの味方?
      アルマにならなくても、よーいどん!で走らなくても、ボクの味方?

ネイリ:たぬきじゃない、ネイリだ
     
     お前がなんでアルマにならないか理由を知らんし
     無理にアルマになる必要もないだろう。強要するのも好きじゃない

     ただ、走っていった奴らに追いつきたいなら、しんどいぞ


よーいどん!2

タイニー:ううーん、そうだよねぇ…。でも…

ネイリ:俺はピストルで走ったが、お前は好きな時に走ればいいかもな
    走らずに転がってても、ぬいぐるみ位ならなんとかしてやるよ
    だから、飯食って寝るのは、忘れんなよ

コメント一覧

#1475 No title
決められた方向へ走ること、
うちはあまり得意でないかもしれない。
みんなと同じコースではかなわないし、
デッドヒートを楽しみたいわけじゃない。
やっぱりコースわきの花畑探索派なのかな。
それだからこそ、10年たってもゴールしないで
「居場所」をアクロにおいている。
急ぐこと、ない。ときどき自分に言い聞かせつつ。

最後の一行、「だから、……」
うちは、重くかつ優しく、の言葉と受け止めました。
長くて固いコメントすみません♪
#1477 Re: No title
>鴨太郎さんへ

いえいえ。真摯なコメントをありがとうございました
いつか形にしたいと、温めていたお話でした

自分の心を血肉にしながら書いたので疲れましたが…

最後の一行はかなり悩みましたが
どんな生き方でも「食べて」そして「眠る」
どうかそれすら出来ないところまではいかないで欲しいと思います

改めてコメントありがとうございました

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